元自にーさん(元自衛官)の自衛隊ブログ

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海上自衛隊の厳しさ!上下関係を徹底的に鍛えられる

      2016/12/12

海上自衛隊に入隊して教育隊でまずキツく教育されたことのひとつに「上下関係」があります。

班長いわく「自衛隊は組織である、組織はピラミッドでなければならない。そのためには今この瞬間より上下関係をきっちりと自覚してもらう。」そう語る班長の目は半端ではなかったことを今でも強烈に覚えています。

黒板に向かい、上下関係の定義付けを書き始めました。まず一つ目が「階級」これはもちろんの事です。

二つ目が「入隊日」厳密には何期入隊なのか、そして最後に「同期の中でも年齢、生年月日」と殴り書きをした後に私たちを見渡し、「これが理解できない者は自衛隊式のやり方で理解するまで教えてやる」と半ば恫喝気味に言い放ちました。

いつものようにここからは私が経験したエピソードを交えながら事例をご紹介していきましょう。



海上自衛隊・教育隊時代

まず教育隊時代でのことですが、ここは自衛官としての躾をする場所ですから重箱の隅を突くくらいに厳しいものでした。

ある時所用で班長室へ呼ばれた者が部屋の前で入室申告を行った際に緊張のせいか声が小さく、扉の向こうから「声が小さい!」という怒号が飛び、やり直しを要求された際、大きな声でいい調子だったのですが最後に用件のある班長の名前を一瞬忘れてしまい噛んでしまいました。

とりあえず「よし入れ!」と言われ入室した途端、扉の向こうから怒号が聞こえてきました。「お前!用件がある人間の名前を忘れるのか、お前の目の前にいる俺は誰だ?言ってみろ!!」廊下を歩いていた同期は一様に凍りついていました。

では用件を終えて班長室を出てきた者はというと、疲労困憊で抜け殻のようになっていたことを覚えています。

さらに隊内生活にも慣れてきた冬の寒い日、全体朝礼後の分隊朝礼と言う私が所属する65名の朝礼が行われた時でした。

ある班長が唐突にこう言い放ちました「近頃あの班長はどうだこうだと言う陰口を言っている者がいると聞く。

一言でもそういったことを言ったことのある者は今すぐ前へ」。当然半数以上の者が何かしら言っているのですが、結局素直に前に出たものは私を含めても十数名のみ。

次に何が起こるかは容易に想像出来ます、班長は横一列に並んだ私たちの頬をめがけて渾身のビンタを放ったのでした。「いいか、入隊してすぐに上下関係について教えたはずだ。

それは表であろうと裏であろうと一緒だ、これが自衛隊式のやり方だということを覚えておけ。」と総員(自衛隊では全員のことを総員と言います)に向けて怒鳴りました、いわゆる見せしめだったなぁと今となっては思いますが。

教育隊ではピリピリした雰囲気の中で自衛官としての礼節や組織の厳しさを身をもって叩き込まれましたが、修了後に入校した初級航空基地員課程の教育機関では「先輩・後輩」の厳しさを経験することになります。

この教育機関とは教育隊を修了した者が部隊配属前に入る初級科、一旦部隊配属をされて専門的知識を学ぶ中級科、より高度な技術や知識を学ぶ高等科の各レベルが混在しているため、私たちは本当の意味での最下層に位置づけされてました。

高等科の先輩はほとんどが3等海曹以上の方で本当の意味で「大人」でしたので、私たちのつたない挨拶にも「自分たちにもそんな時代があったからな」と大らかに接してくださいましたが、問題は一旦部隊経験をして入校している海士長クラスの中級科の先輩方でした。

中級科といえども、初級科が入校してこないと序列は一番下ですから一旦部隊で先輩の「味」を覚えた人には下っ端仕事などはキツかったようで、私たちが入校するとすかさず「先輩」としての威厳、いやこの場合は権力を振りかざしてきました。

一番辛かったのはトイレ掃除ですね、教育隊で海自の清掃とベッドメイクは全自衛隊の中でもトプクラスのクォリティを誇るとまで言われ鍛えられました。

ある日当直幹部の清掃点検が終了した後中級科の先輩数人が「お〜い初級」と言いながら私たちの居住区へ入ってきました。

だいたいこのセリフを言いながら来る時は難癖をつけてイジメに来る時です。「便所の掃除したの誰だぁ?」と聞かれ、その日担当した者が手を挙げると先輩の口から信じられない言葉が発せられました。

「お前のバスタオル持って今すぐ便所へ来い」と言われ、「そのバスタオルでもう一度そこの便器を磨け。」一同耳を疑いましたが、言われた本人が拒否するといきなり頭を叩かれ「先輩の言うことが聞けないのか」ときました。

これに我慢できなかった私たち同期は先輩らに反旗を翻しご法度である先輩後輩の垣根を取り外し、一時は交戦状態にまでなりました。

「先輩なら先輩らしく道理の通った指示や後輩教育をしてもらえませんか?」など、それはすごい勢いで反論したものです。

しかし何故私たちがそこまで言えたかというと、その先輩らは高校を卒業してすぐ自衛隊へ入隊してきた通称「春っ子」で、私たち同期は高校卒業後や大学卒業後一旦社会人経験をして自衛隊へ入隊してきた通称「時期外れ」であり、先輩たちよりはるかに私たちのほうが年上で社会経験も豊富だったからです。

最終的には中級科と初級科全員で話し合いの場を持つことになり、中級科の先輩たちが歩み寄り和解することになりましたが。

これは「自衛隊にいる限りいつかどこかの基地で顔を合わせる可能性もあり、その時にお互いギクシャクした関係で仕事をするべきではない」という提案に私たちが同意したからでした。

初めて受けた自衛隊での先輩後輩の洗礼、部隊勤務についた際にはそんな問題はおきませんでした。何故か…それは私が配属された部署に、その時揉めた先輩がいて「あいつは強烈な奴だからあまり無茶するな」という一言があったからだということを後に知ることになりました。

どんな世界にも先輩・後輩の関係性は存在します、その時先輩としてどう立ち振る舞うか、後輩として先入観なく先輩の指導を素直に受け入れることができるか。

年齢に関係なくお互いを尊重することで完璧ではないにしろ、ある程度円滑な業務が図れるんじゃないかと思います。

ただ自衛隊は「食・住」全てが一緒なので、プライベートの時間が少ないのでそこのところの折り合いをつけるのはみなさんの人間力にかかってきますのであしからず。 共同生活の難しさもひとつの課題でしょうね。

ライター:元海上自衛隊・通信員

 - 海上自衛隊






Comment

  1. より:

    暴行は禁止されてますから警察や週刊紙に言えばすみます

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