元自にーさん(元自衛官)の自衛隊ブログ

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~1日の流れ~海上自衛隊の訓練:部隊勤務と勤務時間内の仕事

      2016/12/12

自衛隊に入隊し実働部隊に配属され、一定の基礎研修いわゆる基地ごとにある仕来りや各隊に対して顔を覚えてもらう挨拶回りなどが最初の「任務」と言ってもいいでしょう。

今回は私が配属された基地での勤務時間内(部隊では課業時間と言います)でのルーティーンから行事関係までを、初任海士時代から航空管制官としての教育機関を終えて原隊復帰した際のふたつに分けてご紹介したいと思います。

まず初任海士として警衛隊警衛斑へ配属されたところからご紹介していきましょう。



警衛隊警衛斑に配属

警衛隊とは文字どおり基地警備を主とするところで、イメージして頂けるとすれば基地の正門に常にヘルメットを被った者が立っているのを見かけたことがあるかと思いますが、まさにあの立番というのが業務の大半を占めています。

三直制で構成され、24時間勤務の当直が終わると次の日は「直明け」と言われる終日休養日に当てられますが、課業時間終了時(海自は16時30分)に行われる終礼には参加させられます。そして当直前日は「訓練直」と呼ばれる日で隊内一般業務にあたることになります。

では隊内一般業務とは何か?いわゆる雑務です。ここからはそれらについて詳しくご案内しましょう。

訓練直の日は朝6時(10月から3月までは6時30分)に起床し、ベッドメイキングを済ませ洗面等を行った後食堂にて朝食を摂ります。中には朝食を摂らずゴロゴロしている者もいますが。

朝食後にはそのまま正門横にある詰所を経由して当直者に労いの言葉をかけて事務所へ向かいます。

この時点で7時20分くらいですでに立直者以外の隊員は全員帰隊していますので、下っ端の私たちは朝からお茶出しに追われます。何故敢えて出勤と記述せずに帰隊と書いたかといいますと、海自は航空基地勤務であっても隊内はあくまで艦艇内であり、営外居住者であっても艦艇に帰ってくると捉えられているからです。

7時30分くらいからおもむろにラッパの手入れをしたり、ラッパ訓練を行います。

警衛隊の大きな仕事の中にその日の当直員が国旗掲揚の際、掲揚台前で掲揚ラッパを吹く事になっています。下手な演奏は出来ませんので暇さえあればラッパ訓練をしていましたね。

7時55分、前日の当直員とラッパ隊以外は正門詰所横に整列完了し8時の国旗掲揚を待ちます。

海自には「5分前精神」というものが存在し、全ての行動の5分前には集合、作業の準備を完了していなければなりません。

そして8時丁度に国旗が掲揚され「課業始め」の号令とともに1日の始まりです。

課業始めになると朝礼が行われ本日の作業予定や伝達事項が伝えられ、それぞれの業務にかかります。さて長い1日、一体隊内では何が行われているのか?興味深いところだと思います。

ざっくり分けると午前は環境整備、午後は体育に分かれます。特別な検閲行事等がない場合はこのルーティーンで1日が過ぎていきます。

具体的に環境整備とは広い基地内に各隊の整備担当エリアというのが設けられていますので、そこの草刈りを行います。

草刈り鎌や肩掛け機などを使い丹念に、かつただひたすらに草を刈ります。早めに終われば残りの時間は昼食まで休憩に充てられますのでとにかく黙々と作業に取り組みます。

作業が終わると階級の低い者がゴミ収集や草刈り鎌を研いだりと雑用をしますが、先輩格は事務所に併設されている待機所で雑談に興じます。

時には「甲板作業」と言って各隊1名ずつ割り当てられ共用部分の環境整備や、ビン、缶等の不燃物を収集しトラックでゴミ集積場まで運ぶ作業があるのですが、課業時間中に隊外に出られるという開放感を味わえるとあって結構人気のある作業でした。

そして11時になると昼食の時間で食堂が開きますので当直員と訓練直員は昼食を摂ります。

そうすると極端な話、11時20分に食事を終えると12時50分まで昼休みになるので、居住区で昼寝するには十分な時間が確保出来ます。

13時になると昼礼が行われ、その後は「体育」と称して夏はひたすら水泳訓練、春や秋はソフトボール、冬は駆け足(基地内に設定されている5キロのランニングコースを走る)を15時30分まで行い、その後事務所や待機所の清掃、時間があればラッパ訓練を行い、16時20分には終礼が始まります。

そうこうしているうちに16時30分には「課業止め」という本日の勤務時間終了の号令がかかります。営外居住者はこの号令とともに我先に家族の元へ外出し、営内居住者は夕食を摂ります。

これが一般的な課業時間内の行動ですが、年に1度だけ大イベントが用意されています。

それは基地から離れた山中にある射撃場の草刈りです。一般隊員は最低年に一度射撃訓練が義務付けられていますので、そのための準備ということで伸び放題の草を刈って環境を整えます。

この時ばかりは課業始め〜課業止めまで1日中射撃場に缶詰で文字どおり昼食は缶詰食でした。

もうひとつの経験パターンとして航空管制官の部署である運航隊運航斑所属の際には、やはり3直に分かれており、当直時には私たち若手は朝食後7時30分までに管制塔に上がり(午前直の場合)、無線チェックから始まり、飛行場管制業務を行い交代員が上がってきて昼食を摂り、午後からフライト終了までベースオペレーション勤務を行います。

海自は管制業務と運航管理業務の両方をこなします。

当直日でない時は午前は環境整備、午後は体育と警衛隊時代とほぼ同じでしたが、作業がない日には恐怖の「ヒアリング」という先輩管制官からの日々の勉強の成果をチェックする意味で半日に渡り質問攻めの時間を過ごす事になります。

ヒアリングの成績が悪いと午後は先輩監視のもと自習を行ったり、先輩とシミュレーション訓練、必要に応じて管制塔に上がり「出稽古」を称した訓練を行います。

簡単ですが隊内に緊張感はほとんどありませんが、オン&オフの切り替えが早いので事故などが起こった際には別人格が一瞬にして現れるそんな見えない空気が流れているところです。

 - 海上自衛隊




kotirade

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